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たこぶ・ろぐ-日本一お気楽な48歳-

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2003年 09月 25日

キング・クリムゾン/King Crimson

太陽と戦慄/Lark's Tongues In Aspic

さて、キング・クリムゾンです(^◎^)。

このアルバムは1973年発表のもので、ファンの間では「第3期」と呼ばれる時代の最初のアルバムですね。この時のメンバーはロバート・フリップ(ギター、メロトロン)、デビッド・クロス(バイオリン、ビオラ、キーボード)、ジョン・ウェットン(ベース、ボーカル)、ビル・ブラフォード(ドラムス)、ジェミー・ミューア(パーカッション)の5人。このあと「暗黒の世界」「レッド」と3部作が続きますが、メンバーは一人減り、二人減り・・・。「レッド」はギター、ベース、ドラムスの3人しかクレジットされませんでしたね(ゲストでいろんな人が演奏してるのに)。

ライブ感覚で即興性の高い「暗黒の世界」(実際、ライブ演奏をもとにレコーディングされた!)、ゲストプレーヤーを加えて、初期の頃の音楽性をも垣間見せた「レッド」もすばらしいですが、「太陽と戦慄」の衝撃度はずば抜けてると思います。乱暴に色分けすると、「暗黒の世界」は即興性が強すぎて未完成な部分が見えてしまうし、逆に「レッド」は作りすぎ。両方のバランスが一番取れてるのがこのアルバムだと思います。

なんといってもパーカッションおよびその他の音(^◎^;)担当のジェミー・ミューアの存在が大きいですね。このアルバム一枚だけで脱退して、音楽界から姿を消してしまうんですけどね。ライブでけがをしたから(ドラが足の上に落ちたとか)だとか、ロックをやってるのが嫌になったからだとか。真相は分かりませんが。「イージー・マネー」なんかの、他のメンバーが一生懸命ロックしてる後ろで、何やらわけのわからない (^◎^;)音を連発して、それがまた演奏をあおっていくところなんか、他では絶対に聞けない演奏です。

よく「ミューア効果」なんていわれるくらい、この人の演奏は他のメンバーに影響を与えたようですね。即興性を求められて、バンドに加わったのか、彼がバンドに加わったことによって、メンバーの即興性を開花させたのか。おそらくその両方だったんでしょうね。特にドラムスのビル・ブラフォードの、これ以降の活躍は、イエスにずっと居てたら、なかったかもしれないなんて思います。彼の即興魂に火をつけたのは、間違いなくジェミー・ミューアでしょう。

1曲目のタイトル曲「太陽と戦慄:パート1」(レコードの最後にパート2があるんだけど、この2曲の共通点って何なんやろ?)は、もう普通のロック・ミュージックを超えてしまってますね。ほとんど現代音楽ですわ。「放浪者」の叙情性、「トーキング・ドラム」から「太陽と戦慄:パート2」への盛り上がり・・・。どれを取っても抜けがないというか、最初から最後まで緊張感の連続のようなアルバムです。これが「息苦しい」と思う人も居るでしょうね。



このころのバンドのコンセプト(リーダーのロバート・フリップのコンセプトなんでしょうけど)は、「ライブでひらめいたものを何度も練り直し、曲にしていく」とかいうものだったようで、実に積極的にライブ演奏をしています。おかげでその頃のブートレグがいっぱい出てきて、そのうえ正規盤としても販売されたりして、一時のフルトヴェングラー状態です。とても全部をそろえる財力も精神力もありません。とは言え、アムステルダムでのライブのブートレグを買ってしまったのですが(^◎^;)。まさかその何年後かに「ナイト・ウォッチ」っていう正規盤が(それもライブ完全収録で)出るとは思いませんでした。そのうえ「『暗黒の世界』に入ってる曲の大部分は、このライブでの演奏そのままやった」ってバラされたときは、ショックでしたね。ほんなら今までスタジオ録音やと思って聞いてたのはなんやったんや・・・そのうえ、ブートレグまで買ってしまったわしは・・・・・。



参照レコード(CD)

* 太陽と戦慄(Larks' Tongues in Aspic:1973)
* 暗黒の世界(Starless And Bible Black:1974)
* レッド(Red:1975)

by tacobu | 2003-09-25 12:00 | 音楽


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