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たこぶ・ろぐ-日本一お気楽な48歳-

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2003年 07月 25日

赤い鳥

「赤い鳥」と言えば、「竹田の子守歌」か「翼を下さい」がまず思い浮かぶんでしょうね。男女混合のフォーク・コーラス・グループのはしりみたいなことをよく言われていますが、そんな範疇には収まらないグループだったと思います。後に解散して、ハイ・ファイ・セットと紙ふうせんという、二つのグループになってしまうわけですが、そのどちらも赤い鳥の音楽を受け継いでいるとはいえないですね。赤い鳥は「あれもしたい、これもしたい」という先進性がいっぱいあったけど、後の二つのグループはどっちかといえば保守的な音楽にはしっていきました。もちろん、それも赤い鳥の音楽の一部だったのは確かなんですが。
わが家には「祈り」「ミリオン・ピープル(ライブ)」「書簡集」「赤い鳥・ゴールデンデラックス(ベスト)」の4組のLPがあります。



「祈り」

初めて買ったLPレコードが「祈り」でして。中学 1年のころでしたか。といってもわたくしが買ったのではなく、兄がファンだったので(ボーカルの平山泰代が好みのタイプでした)買ったんですね。買ったときは、うちにはポータブルの電蓄しかなくって、どうしても針飛びがひどいので、兄は一念発起して、ソニーのステレオセット(システムコンポ)を買ったのでした。つまり、わが家に音響革命をもたらした(大げさな(^◎^;))レコードだったわけです。

当時の「新譜」だったので買ったわけですが(つまり偶然)、「竹田の子守歌」や「翼を下さい」などの曲のイメージとはちょっとかけ離れたレコードです。一貫したテーマ、それも自然への畏敬というような、一種宗教がかったようなテーマに貫かれたトータルアルバムで、どちらかというとロックに近いような気がします。当時、メンバーだった大村憲司(ギター)と村上秀一(ドラムス)の影響もあったのかも(この二人が作った曲も多く入っている)。はじめに歌なしの、SE風の曲があって、幻想的な「めざめ」が終わったかと思ったら、パーカッションと語りだけの「砂絵」。そのあとも、自然賛歌が続きまして。フォークコーラスグループなんてイメージはどっかにいっちゃいます。そして、はじめに演奏された「めざめ」のテーマをバックに語られる大地讃。最後はアカペラでヘンデルの「アーメンコーラス」ですわ。

いまでも、日本の音楽史上に残る名盤だとわたくしは信じております(このLPと、 ピンク・フロイド「狂気」 を聴いたおかげで、そのあとプログレッシブ・ロックにはまっていったと思います)。ただし、フォークのアルバムと思って聴くと、びっくりするかがっくりするか(^◎^;)します。赤い鳥ファンの間では、しょーもないアルバムと位置付ける人も多いです。レコードを買った兄も同様だったようで(^◎^;)、すぐさま「赤い鳥・ゴールデンデラックス」という、ヒット曲と外国のフォークソングをカバーしたのを集めた2枚組のLPを買いに行きました(^◎^;)。




「ミリオン・ピープル(ライブ)」


2枚組のライブアルバムです。タイトルの「ミリオン・ピープル」というのは、コンサートの総動員数が100万人を超えたのを記念して、ということだそうです。当時はもちろん大阪城ホールとかはなかったから(^◎^;)、多くても1000人~2000人規模のコンサートしかできなかったはずで、そんなのは何回もできないから、やっぱり1回の観客数は5~600人程度だろうから、それで100万人を越そうと思ったら、え~と・・・。と計算するのはやめましょう。とにかくライブに力を入れていたのは間違いないようですから。

「翼を下さい」がヒットしていたころは、テレビでもフォークソングを取り上げる音楽番組が結構あって、よく演奏してるのを見たものです。FMなんかでもよくライブの模様を放送していましたし。しかし、1回のコンサートを丸々収録するというのは、ラジオでもなかなかできなかったようです。

で、このライブ、「祈り」と同様、いろんなところでびっくりさせられました。まずオープニングは、アカペラで「アーメンコーラス」。ライブで、しかも6人(当時のメンバー)でやってしまうかあ。ほんまに歌えるんや、って思いました。
それからあとは、リーダーの後藤悦次郎のMCで(声が小さい(^◎^;)。ときどき聞き取られへん)コンサートが進んでいくんですが・・・。普通、こういう「記念碑」的なライブだと、それまでのヒット曲のベストアルバム的なものになるんだろうと思うんですが、なんというか、いろんなことをやってます。やりたいことをやり尽くしているって感じです。渡辺貞夫をゲストに呼んで、延々(15分以上!)即興演奏をやったり、そうかと思うと村井邦彦をゲストに、ヒット曲メドレー(ほんまのサワリ集。1曲1分程度)をやったり、「紙風船」の「高く~、たぁかく~」のリフレインだけでシングアウトさせてみたり。「いったい、何がやりたかったの?」と聞きたくなるような内容です。やりたいことを全部やったら「こうなりましたぁ」ともいえるわけで、一番赤い鳥らしいアルバムともいえるのかも知れませんね。当時の他のフォークグループとは、やっぱりひと味もふた味も違うライブなのでした。



あと、「書簡集」なんですが、わたくし的には印象の薄いアルバムです。すでに解散が決まっていたか、解散したあとに出したか、よく覚えていないんですが、アルバムタイトルどおり、各曲が散文的に並んでいて、それぞれはよくできているんだけど、全体のイメージがぼやけています。まあ、メンバーの音楽性が分裂してしまっていた状態(後藤悦次郎と平山泰代は、すでに別のグループを作って活動していた)での録音だから、あたりまえかも知れませんが。



今、赤い鳥のレコード(CD)は、全集が今年に発売されて、それ以外の単売はされていないようですね。初期のころのアルバムは、耳触りのよいフォークコーラスグループらしいものが多いようです(外国曲のカバーも多かったらしい)。そういうのは別にわたくし的には必要のないものなんですけどね、オリジナリティがないし。それぞれを単売してくれたら嬉しいんですけど。

by tacobu | 2003-07-25 12:00 | 音楽


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