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たこぶ・ろぐ-日本一お気楽な48歳-

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2007年 12月 10日

【不良のための読書術】永江朗(ちくま文庫)

年間に出版される本は5万冊。対して、人生がのこり40年だとして、年間250冊読んだとしても、一生に読める本の数は1万冊。どうする?
そこで著者は「ゴダール式読書法」すなわち「不良読み」を推奨する。映画監督であったゴダールは、映画館に最初の30分しかいなかった。
「その映画がくだらなければ30分で我慢できなくなるし、素晴らしければ30分でその良さが分かる」
ということだったらしい。
それにならって、最初の30ページだけ読めばよいのだ、というわけ。
しかしなかなかそうはいかない。一度買った本、手にした本は最後まで読まなければ、という「いい子本能」が働くからだ。
しかし、下らない本を読むのに時間を浪費するのは、なんたる無駄なことか。そんな本を我慢しながら最後まで読むくらいなら、さっさと別の本を読むべし。「最後まで読まなければ」という「いい子本能」は捨て去って、あえて不良となって読書すべきだ、というわけ。

おもわず同意。なんとしても最後まで読まないと、という責任感というか義務感というか、そういうのにとらわれている人には、福音となるような話でありますな。
「最初の30ページ」が難しかったら、面白くないところは飛ばして読む、よういうのもあり。これだととにかく「最後まで読む」ということになって、なんとなく義務も果たしたような気になるしね。いいかも。

その他に、いまの本の流通状況や古本屋の利用法、図書館の利用法、本屋の現状などをいろいろ教授してくれる。店の情報が東京に偏っているのは仕方がないか。
昔々、本屋で働いていたワタクシには、とても身につまされる話も多かったなあ。ひとりでも多くの本好きの人に読んで欲しいなあ。そして本の状況、流通の現状、本屋の現状を知ってほしいという気もしました。
さ、これからは「不良読み」しよう、と。

by tacobu | 2007-12-10 00:05 |


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