2008年 01月 10日
どちらもロアルド・ダール作。翻訳は柳瀬尚紀。評論社刊。 どちらもまあ、いわゆる児童文学なんだけど。どちらもはちゃめちゃです。「アッホ夫婦」の方は、夫婦でいたずらというかいやがらせというか、文字どおりアホなことのやりあいが前半、後半は自分たちが虐待していたサルたちに復讐されるというおはなし。読みようによっては、前半と後半のつながりが全然ないし、だいたい結末はナンセンスを通り越して、オソロシクもあります。 「すばらしき父さん狐」は、人間の農場から、ニワトリやらガチョウやらリンゴ酒やらをまんまとせしめる父さん狐のおはなし。こちらも、考えようによっては「泥棒讃歌」のような内容ですね。 ただ、どちらも、「自分は偉い」と思っている人間どもをやっつける、という点では共通しています。つまりは、動物の立場に立つことができれば、こんなに痛快な読み物はなく、人間の立場に固執していては、ケシカラン教訓話になってしまいますね。 柳瀬尚紀の訳は、名前の翻訳以外は、リズムに乗っていていい感じです。
by tacobu
| 2008-01-10 01:08
| 本
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