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たこぶ・ろぐ-日本一お気楽な48歳-

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2008年 01月 13日

【パイロットの妻】アニータ・シュリーヴ(高見浩訳・新潮クレストブックス)

どうやらこの小説は、アメリカではベストセラーになったらしい。それも納得できるなあ。なにしろ面白かったから。
パイロットを夫に持つキャスリンの元に、ある夜、航空会社の人間が訪ねてくる。夫の乗る飛行機が墜落したという知らせを持って。しかも墜落の原因がよくわからない。会社も調査中だという。ひょっとして、夫の過失か? あるいは・・・・
真相を求めて調べていくうちに、明らかになっていく、今まで知らなかった夫の生活。夫について自分が知っていたことはなんだったのか。

墜落事故の真相は? という謎解きのおもしろさと、夫の真実の姿をあきらかにしていくサスペンス的な展開という、二重の謎解きがからんで、途中からだんだんやめられなくなっていきました。
さらに「夫のことを知らなかった」ということから「娘のことはどれくらい知っているのか」さらに「家族の絆とは?」というところまで(ちょっとだけやけど)踏み込んでいって、なかなか重厚なつくりになっています。
それだけに、終盤の解決の仕方は、ちょっとだけ物足りないような。でもここまで引っ張ってこられたら、これくらいでちょうどいいのかも。

ロマンティックな部分とサスペンスとが、うまくマッチしているような気がするなあ。そのバランスがいいって感じ。謎解きは、推理小説のようにはいかない(都合がよすぎる)けれど、それを補って余りある内容です。

by tacobu | 2008-01-13 00:16 |


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