2008年 01月 19日
図書館で、「失われた時を求めて」の第2編、「花咲く乙女たちのかげに」を借りたのだ。もちろん、第1編の「スワン家の方へ」も読み終わったのだよ。 「失われた時を求めて」というのは、フランスの作家、マルセル・プルーストが書いた、ほとんど唯一の小説で、文庫本で全12巻という大長編である。「意識の流れ」という手法で書かれた最初の小説で、のちの作家に大きな影響を与えた。 というのが、文学史とかで紹介されるプルーストの話。 「のちの作家に大きな影響を与えた」なんて書かれると、興味をそそられてしまうのです。さらに「20世紀最大の小説」なんていう肩書きがつくと、どんな話なのか読んでみたい!と思うのですが、なにしろ長い! なかなか読みきれません。 でも小説全体はいくつかの章立てに別れているわけやし、さらに今読んでいる鈴木道彦訳では、最初にあらすじみたいなものも付いているので、これならなんとか途中で迷わずに読み通せるのでは、と思ったのですな。 「途中で迷わずに」というのは、この小説、「意識の流れ」に沿って書いているだけに、話があっちこっちに飛ぶんですな。最初は「今」のわたしの状態から話が始まって、次に隣人のスワン氏の恋愛、と思ったらその娘とのロマンス、ああ、主人公は成長したのかと思ったら、今度はまたさらに昔に戻る、なんてことがしょっちゅうあって、どうにも話の流れがつかみとれません。 さらにだらだらと語り続けるような話の進み方で、主人公はそんなに年配ではないはずなのに、縁側でおじいさんの昔語りをだらだらと聞いているような気分になって、しかもその話がいろんなところに脱線し、前後するので、話を聞いたあとで自分の中で整理して理解しないといけない、さらには話の中に出てくるたとえ話がいかにも唐突で、いろんな芸術に精通していないとそのほんとうの意味するところが理解できない、という状態なのです(巻末に訳注が何ページにも渡って付いているのですが、いちいち注を見ながら読んでたら、ますます読み進まれへん)。 それでもなんとか、第2編のとちゅうまではこぎつけたわけですよ。で、ますます話がこんがらがってきて、なにがなにやら、という状態になってきたわけ。 なんか、小説の方が 「キミ、キミの手には私は負えないから、諦めたまえ」 と言ってるようで。 それでも、読み始めた小説は何とか最後まで・・・・と思ったんやけど。 そこで前に読んだ「不良のための読書術」を思いだしたのです。そうや、なにもどんな話も、読み始めたら最後まで読まなアカン、ということはないんや! そう思ったら、気分も軽くなりました。そうや、不良で行こう! 「20世紀最大の小説」は、しばらくは横においとこう。
by tacobu
| 2008-01-19 00:56
| 本
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