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たこぶ・ろぐ-日本一お気楽な48歳-

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2008年 05月 10日

内容をよく見て考えよう

中央図書館には「注目書のコーナー」とかいうのがあって、最近注目されているらしい本がかためて置いてある。ベストセラーになった本が、何冊か並んでいるのだ。通常、図書館の中では同じ本は1冊ずつしか見かけないから、ここは特別人気のある本が並んでる、ということなのだろうなあ。
そのコーナーから2冊ばかり借りてきて読んだのだが。

「涙が星に変わるとき」チンギス・アイトマートフ(浅見昇吾訳・花風社)は、パミール高原が舞台。どこ? というのは、どこかで調べてくれ。中国とウズベキスタンとか、あのあたり。そこで長距離の運送トラックを運転する男が主人公で、一目ぼれした女を、婚約者から引き離すようにして結婚し(もちろん、両親には内緒である)、子供も生まれて幸せな日々を送るが、あるとき強引に山越えしようとして失敗し、そこから転落の人生へ。妻とも子供とも離れ離れになってしまう。やがて、立ち直ろうと決意する男の前に、かつての妻が偶然現れ・・・・
とまあ、なんともありきたりなストーリーだ。裏表紙には「ヨーロッパで絶賛の」とかいう宣伝文句が載っているけれど、こんなのが絶賛されるようでは・・・・・と思ってしまいます。主人公の運送屋にまったく思い入れできない(自分勝手でプライドが高く、自信たっぷりなのだが、失敗すると姿をくらます、最低なやつだ)。ま、短い話やから、最後まで読めたけどさ。で、短いくせに1冊の本になってるところがまた。

次に読んだのが「天使になった男」ジョー・タイ(桜田直美・ディスカヴァー・トゥエンティワン)。題名だけ見て、ひょっとして感動ものかなあと思ったんだけど。もっとちゃんと内容を見ておくんだった。
学校経営が破綻して、自殺しようとしている男。というか、自殺しようとがけから飛び降りるんだけど、なぜかそこに天使が現れて、時間を元に戻していく。「君が失敗した原因を探ってみよう」
映画のシーンを見るように、その日の自分の行動を確認していって、さて、何が原因だったでしょう?
「それは君の心にある恐怖心なのだよ」
そうか、それを克服すれば、ビジネスもうまく回り始める!
という、ビジネス指南書なのだな。そうとは知らなかったよ。出版社名から察しをつけろよなあ。まだスピリチュアルものだったら納得もいくけれど。
で、指南書であるからには、時間を元に戻された主人公は、その教訓を生かして次々と難関を乗り越えてゆき、成功者となる。ちゃんちゃん。
各章の中に出てくる、太文字の警句が、いかにも「指南書」と思わせてくれます。悩んでいる人は読んでみはったら。んで、「人生、そんなにうまくいくはずないやんけ」と思ったら、僕と同感覚です。

by tacobu | 2008-05-10 21:38 |


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