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たこぶ・ろぐ-日本一お気楽な48歳-

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2005年 06月 30日

追悼:ロベルト・ブリーゲン師

今朝の新聞の訃報欄に載ってました。もうかなりのお年だと思っていたんですが、76歳だったんですね。もうひとがんばりできる年齢やったかな。残念です。

ルネッサンス音楽の「研究家」として有名ですが(著書、編著書も何冊かある)、わたくしにとってのブリーゲン先生は音楽家、演奏家、指揮者そのものです。10年ほど前、ぶたこと一緒に先生の指揮する合唱団に所属していて、数多くのルネッサンス音楽、グレゴリオ聖歌を歌えたことは、わたくしの人生の大きな誇りであり、喜びでありました。

それまでルネッサンス音楽というと「静的」で「清楚」で「敬虔」で・・・というイメージでとらえていたのですが(ほら、そういう専門書とか、楽譜の端っこに書いてある説明とかも、そういうイメージやないですか。過剰な表現は良くないとか)、その先入観を一変させてしまった人であります。

「ルネッサンスは『人間復興』なのだ!」
と、教科書で習ったことを思い出しました。ルネッサンス音楽が心からなる音楽であることを教えてくれたひとです。

研究者としての業績や手腕が高く評価されていましたが、わたくしにとってはやはり指揮者ブリーゲンの印象が強烈です。当時、指揮の勉強もしていたのですが、手習いの「指揮法」とはまったく違う、「思い通りに音楽を紡ぎ出していく」技術の高さに、「これには敵わんなあ」と思ってしまいました。

多声音楽の、複雑にからみあった声部の一つ一つをどれもすべて振り分けて、しかもひとつの音楽を作り上げてしまうんです。そんなこと、できるはずがないねんけどやってしまえるんですよね。「1,2,3,4」という振り方では、とうていうまくいかない多声音楽ですが(へたに指揮法を知ってると、拍をとってしまうけれど)「ここでこのフレーズ!」「ここからはこのフレーズ!」っていうのが明確にわかる指揮。こんな振り方ができるひとは他には知りません。まさに神業でした。

パレストリーナやモンテベルディ、バッハ(ヨハネ受難曲はよかったなあ)などもすばらしかったんですが、なんといってもフランドル楽派、デュファイやラッススが得意やったんとちゃうかな。特にラッススは、歌ってて「オモロイやんけぇ!」っていう気持ちになってしまうんですよね。ルネッサンスを歌っててそんな気持ちになるなんてねえ。

練習中、烈火のごとく怒鳴られたこと。「リコルダーレ」の曲の説明で「思い出してチョーダイよ!という意味ですよ」といって笑いを誘ったこと。うまく歌えたときにはウィンクしてくれたこと。思い出はつきませんね。ご冥福を祈ります。

by tacobu | 2005-06-30 12:57 | 音楽


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