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たこぶ・ろぐ-日本一お気楽な48歳-

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2005年 09月 05日

群衆(1941年:アメリカ)

500円DVDの1枚。こんな名画がワンコインで見られるなんて、エエ時代になったもんですなあ。ところどころ「今、カットかかったんチャウのん?」とか、画面にノイズがいっぱいあったりとか、コマ落ちみたいなところとかがあるんねんけど、映画を楽しむには充分ですな。

オーナーが変わってクビになることになった新聞社の記者アンが、ヤケクソになって「読者からの投書」っていうことにして、社会批判の記事を書くんですね。ところがその記事がエライ反響を呼んで、知事とか市長とかも「誰が書いたんや!」ということになる。さらに新聞社には「投書したのはこのわたくし」という読者がわんさと集まってくるんですな。なにしろみんな職がないもんで。この機会に仕事をもらおうというわけ。で、いまさら「あれはガセネタで・・」というわけにもいかなくなった新聞社はその中のひとり、元地方リーグのピッチャーという男を投書した「ジョン・ドー」に仕立て上げて講演会を開き、ラジオで全米に中継するんですね。
もちろんその原稿はアンが書くんですけれど、隣人愛を説くその演説がまたまた反響を呼んで、「ジョン・ドー」はたちまち全米の英雄になっていくんですが・・・。

原題にある「ジョン・ドー(John Doe)」っていうのは、日本でいうと山田太郎とか山本一郎とか、そういう「どこにでもある名前」ということらしいです。そんな「普通の人たち」の行動が、ちょっとしたことですばらしいものになったり、あるいは暴動になったりとかするのが面白かったり怖かったりしますね。
だいたいこの主人公(ゲーリー・クーパー)にしてからが、そもそもは仕事欲しさ、金欲しさでウソをついて新聞社にやって来た人ですからね。それが(他人が書いた)原稿を読むことで、だんだんその気になっていくんですから。しかもその気になるだけやなくて、実際「いい人」になっていくのが面白いですね。

演説を聞いて隣人愛に目覚めた人たちが、各地で「ジョン・ドー・クラブ」を作るんですね。で、その全米大会を行う、その会場で、主人公は自分が権力に利用されようとしているのを知って、真実を話そうとするんですが、逆に告発されてみんなから総スカンを食らうんですね。
会場中に集まった何千人っていう群衆が、それまで主人公を崇拝していた人たちが、一転して主人公を罵倒するさまは、怖かったね。これ、1941年っていう時代を考えると、もっと怖いね。ナチスが台頭してた時代やもんね。一人の人間の言動に左右される群衆。
そういうのに警鐘を鳴らしたいってこともあったんかなあ。この監督(フランク・キャプラ)。

まあ群衆(大衆って言ってもいいかも)は、だいたいそんなもんかも知れないなあって思いますな。大勢にしたがって生きているような。ちょっとしたことで良い方向にも悪い方向にもなびいていくような。
どっちにしろ、大衆には力があるんですよね。ラストはそんな大衆に希望を持たせて終わるねんけど。

by tacobu | 2005-09-05 12:00 | 映画


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