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たこぶ・ろぐ-日本一お気楽な48歳-

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2006年 01月 14日

短編小説やと思って借りたのに

電車で読むのには文庫本か新書がちょうどいい。上着のポケットに入るので、読みたいときにさっと出せて、もちろんしまうときも簡単。出勤時はだいたい座れないので、立ったまま読むのにも重たくなくっていい。まあちょっとした単行本でも、今はそんなに重たくはないけどね。

「ディケンズ短編集」(小池滋、石塚裕子訳・岩波文庫)を忘れてたな。「クリスマス・キャロル」を思わせる話とか。編者の意向やろうけど、怪奇趣味とか幽霊とか、そういうたぐいの話が多く収められてる。それもディケンズやろうけどな。僕の印象としてはディケンズはもっと正義感とか倫理とか、そういうものが根底にあるやろうと思ってるねんけど。そうではない部分がよく分かる。こういう部分もディケンズの面白さといえるかも。だから、ちょっと辛気臭く思える長編小説が面白く読めてしまうのはこういう面白さを備えているからかもな。

「フィッツジェラルド短編集」(佐伯泰樹編訳・岩波文庫)は、短編集やと思って借りたんやけど。書名もそのとおりやしな。ところが6篇収められてる「短編」は一番短いものでも40ページ、「メイ・デイ」は100ページもある。これが短編? まあええけどね。今やったらちょっとした単行本になるやろな。

フィッツジェラルドは初めて読んだかな。1920年代のアメリカを舞台にした小説が多いんですよね。ということぐらいしか知らんかったな。その時代のアメリカに郷愁とか関心とかがなかったら面白くないかも、と思って読んでなかったんやな。

しかし、この短編集は面白かったですよ。結構楽しめたな。第1次大戦後のちょっと豊かなアメリカの、その反面、ちょっと悲しい面を描いててね。ホンマの豊かさとは何かっていうことは、もうこの頃からのテーマになっててんな。

by tacobu | 2006-01-14 14:56 |


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