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たこぶ・ろぐ-日本一お気楽な48歳-

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2006年 05月 09日

フランスものは性に合わないのだろうか

気がつけばアメリカ文学ばっかり読んでるような気がする。まあたまにイギリスものが混ざるけど。しらん間にイギリスものを読んでるってこともあるけど。ともかく英語圏の文学が多いなあ。ヤングアダルトものが好きなのでそうなってしまうのか。

国によって文学の違いっていうのはあるのかなあ。たぶんあるんやろうなあ。明確にこうっていうのは無くなって来つつあると思うけどね。情報化が進んだ現代ではね。で、たまには、と思って読んだんです。ロジェ・グルニエの「六月の長い一日」(山田稔訳・みすず書房)っていうのを。題名に惹かれたんやけど。なんとなく面白そうな題名やん。

古い友人である男女ふたりの、会話が主な物語。女性のローリスは名門出のシモンが好きだった。しかし戦後、シモンは挫折していきます。その成り行きを友人だったルネが語ってゆく、というのが主な筋。戦時中のレジスタンス活動、戦後の混乱。いろんなことが時間を越えて交差するような物語です。

で、はっきり言うと、分かりにくいです(^◎^;)。ちょっと読みのがすと、今しゃべっているのが「現在」のことなのか「過去」のことなのか。僕みたいにさささっと読み進めていくような読み方をしているとなにが何やら、ということになってしまうのですね。

少ない登場人物のそれぞれの性格とかが、短い小説の割には克明に描写されていて、それぞれは面白いねんけど、一番肝心の「シモンはなぜ挫折したのか」というのははっきりしないまま。推測の域を出ないんですね。まあ人生はそんなもの、と言ってしまえばそれまでなんやけど。

ところどころにハッとするようなフレーズとかが隠れていて、なんとなく読んでいて、急に(僕にとってはそんな感じ)そういうフレーズに行き当たると「エッ?!」と思ってしまうんですね。そう、なんか小説を読んでるっていうより、詩を鑑賞してるっていう気分になってしまいました。

フランス文学は分かりにくいのかなあ。いやいや、いままでジュネとかサルトルとかも読んだけど、普通に入り込めたであるよ。つまりは作品によるっていうことですね。当たり前な結論ですが。

by tacobu | 2006-05-09 18:46 |


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