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たこぶ・ろぐ-日本一お気楽な48歳-

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2006年 07月 06日

奇跡というのは、あるんだろうか

デイヴィッド・アーモンドの「肩胛骨は翼のなごり」(山田順子訳・東京創元社)は、児童文学のデビュー作なのだそうだ。

田舎の古い家に引っ越してきた家族。主人公の少年には両親と、体の弱い赤ん坊の妹がいる。妹は病院に入院して、手術を受けなければいけないほどだ。

引っ越した家には「ガレージ」と呼ばれる古い離れ小屋がある。少年がそこに入ってみると、中には汚らしい男が居た。どうやら病気らしいが、人に助けを求めることも嫌らしい。よく見ると、彼の薄汚れた上着の背中のところは、異常に盛り上がっていて・・・

やがて男と親しくなる少年。男の正体は? そして病気の妹の運命は?

と書いてしまうと、なんか普通の奇跡を期待してしまう。普通の奇跡って言う言い方もおかしいけれど。でも、そのとおりの展開になるんですね。はああ。

まあ、文体は面白いし、何より少年とその友人の描き方、少年の心の動きなんか「ああ、こんな風に考えてたなあ、あの頃は」と思わせるものがあって、郷愁すら覚えるのですな。日本の話ではないのにね。

ただね。前に読んだ「火を喰う者たち」に比べると、結末が見えてしまうところが、ちょっとなあ。それに、小屋にいる謎の男がいかにも・・・というのも、ちょっとファンタジー色が強すぎて、ほかの(少年と友人との、学校での話との)話との落差みたいなものを感じてしまう。

とはいえ。こういう「奇跡」の話。僕は好きです。希望を持って生きていこう。うまく行かないことももちろんあるんだけど。それにもめげずに頑張ろう。そういう話はね。でもやっぱり「火を喰う者たち」には及ばないんだけど。どこが? えっとね、まず「火を喰う者たち」は、実際に奇跡が起こる、というより「奇跡を信じる人たちがいて、奇跡のようなことが起こる」という、ちょっと不思議な色合いがとってもいいんですよね。それに比べると「肩胛骨は翼のなごり」は、いかにも、な奇跡の起こり方で、ちょっと引いてしまうわけです。どちらも「社会からちょっとはみ出した人が、人の命を救う」というテーマなんですけどね。



ジョン・アップダイクはアメリカの国民的な作家らしい。名前は知ってるけど。読んだのはこないだの短編集がはじめて(だと思う)。で、強い印象はなかったなあ。で、代表作である「ウサギ」シリーズの最終シリーズ「さようならウサギ」を読み始めたんだけど。どうも僕の性には合わない。途中で退屈になってきた。

固有名詞とかがバンバン出てきて、リアリティ丸出しなんだけど、それが面白いのかどうか。正直言うと、物語の普遍性なんかがどっかに飛んでしまって、僕が書いてるような日記のような雰囲気になってくる。まあそれはそれで面白いのかもしれないけれど。そして中に挟み込まれるジョークも、どうも性に合わないなあ。

だからどんどん退屈になってしまって、1巻の(2巻組)途中で挫折。

by tacobu | 2006-07-06 19:03 |


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