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たこぶ・ろぐ-日本一お気楽な48歳-

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2007年 07月 03日

推理小説とは呼べそうにないのだが

1973年江戸川乱歩賞受賞作「アルキメデスは手を汚さない」を読んだ。今頃になって。話題になったころは読む気にならへんかったなあ。話題になってるものほど読みたくないっていうひねくれ者だったのだ。いまでもひねくれてるけど。

で、それから30数年。今読んでみると、これって推理小説のようで推理小説でないのだね。べんべん。舞台は高校。しかも豊中ですと。
高校生の美雪は、中絶手術の途中で絶命してしまう。美雪を妊娠させたのは誰か? 父親は犯人探しを始めるが、そんなとき教室では毒殺未遂事件が起きる。
さらに、同級生の男子学生の、姉の愛人(不倫相手)の殺人事件、さらにさらに、その姉の「密室殺人」事件などが次々に起こる。美雪が最後に言った言葉「アルキメデス」とは何か?

と、なにやら謎が謎を呼ぶような、探偵小説の王道を行くようで・・・・全然行かないのだなあ。
それぞれのトリックというか、事件の解決はじつに簡単。偶然も重なって謎が解ける。刑事が「あやしい」と思った人物を、追い詰めていくと、たしかにその人物であった、などというのもなんだかなあ。

そして、最初に書いたように舞台は豊中なのだが、ほとんどが標準語で話が進むため、高校生の描写などを読んでいると、そこが大阪ではなく東京のような錯覚をおぼえてしまう。まあ、場所はどこでもよかったんやろけど。というぐらいの、地理に関係ない話の展開でありました。

江戸川乱歩賞受賞、とかいう肩書から想像すると、ちょっと肩透かしを食らうかも。あ、ちゃんとトリックらしいものもありますよ。
でもこの小説の主題というか、キモはやっぱり、主人公の高校生たちの姿、やろなあ。
で、意外にもこの小説を書いたとき、小峰元はすでに50歳を超えていたのだね。へえ。知らんかった。高校生を主人公にした小説やから、すくなくとも20代の作家やと、これまた先入観を抱いていたのだな。
でも、逆に、それだったらもっと掘り下げた文章を、と思ってしまうなあ。いや、これはこれで面白いけど。ただ、読み終わったあとの、心に残るものとか、そういうのがちょっとありきたりなものになってしまうのが、残念。

by tacobu | 2007-07-03 00:51 |


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