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たこぶ・ろぐ-日本一お気楽な48歳-

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2006年 05月 23日

「グッドナイト・アンド・グッドラック」を考えた

映画のことをちょっと考えてた。映画のページに書いたらええねんけど、もうめんどくさいからここに書こう。映画の筋とかとはあんまり関係ないことやし。

みんな、タバコを吸うてはるんですね。ビル・マーローは同じポーズでカメラの前に登場するねんけど、いつも右手にタバコをくゆらせてる。途中でケントのCMが入って(当時のフィルムそのまま)、ああ、スポンサーがケントやからケントを吸ってるところをわざと見せてるのかと思ったな。それにしても、登場する人ほとんどがタバコを吸ってる。それもしょっちゅう。スタジオ内でも(ビル・マーローはもちろんスタジオ内やから)関係なし。そんな時代やってんなあ。で、それがかっこええ、タバコを吸うのがひとつのスタイルやった時代やってんなあ。まあそこにスポンサーも絡んでくるんやろうけど。

それとね。これは映画のページにも書いたけど、みんなかっこよすぎてね。うっかりすると登場人物(CBSのスタッフ)みんながとってもよくできた人に見えるけど。よくよく後で考えたら、全員が共産主義に真っ向から反対してるんですよね。それが普通で、それが正義で、労働運動とかにうっかり関わったら放送人としても姿勢が問われるような、そんな雰囲気やったんですね。

もちろん、東西冷戦のまっただなかの時代やし、共産主義者が「悪」と思われてた時代やからしゃあないねんけど。つまり、マーローたちが問題にしたのは、純粋な「思想の自由の侵犯」ではなくて、「不当な共産主義者としてのレッテル貼り」に対してやったんやな。

20年ぐらい前までは、アメリカでは共産党そのものが非合法やったと思うけど、今はどうなのかなあ。この映画の時代はもちろん非合法。だから労働運動なんかでも、ひょっとしたらその背後に「国政を転覆させようというスパイの陰謀があるんちゃうか?」という疑いがあったんでしょうなあ。まあ当時の労働運動が、ソ連とかの指導を受けてた可能性は想像できるけど。

だからね。ちょっと妙な気分なんですよね。ホントの意味での思想の自由を、表現の自由を彼らは勝ち取ったのか。実は限られた範囲の自由、自分たちが考えられる、自分たちが許容できる範囲の自由だけを勝ち取って、それで満足していたのじゃないか。

そう思うと、最後のマーローの演説は、今の時代のマスコミ、テレビに対する警告だけじゃなくて、そのままマーロー自身に対する皮肉とも考えられるなあ。などと、あとあとゆっくり考えるのも、映画を見たあとの一興と言うもなのですな。

by tacobu | 2006-05-23 14:14 | 映画


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