2007年 09月 11日
エド・マクベインの「87分署」シリーズの一冊。といっても、これが初の中短編集だそうで。 そのほかの「87分署」シリーズに比べると、軽い内容なのだそうで。といっても、わたくし、他のものといえば第1作の「警官嫌い」しか読んでないんですけどね。あとはテレビドラマになった(「わが町」シリーズ。主演:渡辺謙)ものしか知らないので。どう違う、といっても分からないのですが。 そんなことはともかく。推理小説としてどうかというと、問題なく(おかしな言い方やな)面白いです。 3編の作品が納められていまして。 「空白の時」は、都会での殺人事件。被害者の経歴などが現代風(結構以前の作品なのだと思われるんだけど)。 捜査していくうちに、動機やアリバイなどで犯人像が二転三転していくのが面白いなあ。都会のペーソスもちょっと感じさせて。これがエド・マクベイン風味というものか。 「J」は、殺人現場に残された謎の文字、その意味するところは? という物語。ちょっと本格派。というか、刑事の推理がどんどん外れていって・・・・。読者を騙す手口(いい意味で)はやや古典的。 「雪山の殺人」が、ちょっと異色。「87分署」の管内での事件捜査ではなく、刑事のひとりが休暇中に、その雪山のロッジで起こる殺人事件を解決する。 おきまりの地元警官たちとのあつれきなんかも。しかし、トリックなどはややありきたりか。 サスペンスは、時々読むと面白いなあ。とくにエド・マクベインは、都会の生活が生き生きと描かれていて、その点でも楽しめる。 最近よくあるような(よくあるのか? 僕が目にする機会が多いだけか?)暴力シーンやエグい描写は少ない。だから楽しめるのかも。 推理小説としては、本格的な「謎解き」はあまりないんだけど。サスペンスとしては、ハラハラドキドキもあって面白いのだ。
by tacobu
| 2007-09-11 22:24
| 本
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