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たこぶ・ろぐ-日本一お気楽な48歳-

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2007年 12月 27日

【火車】宮部みゆき(新潮文庫)

仕事は今日まで。明日からはゆっくりできる。たまってるビデオを見たり、本を読んだり。ああ、いろんなことができるかなあといまから楽しみにしているのです。
図書館も年末年始はおやすみで。だから今借りた本は、いつもなら2週間で返却なんだけど、3週間まで借りれたり、近所の図書館などはいつもは8冊までのところが、この期間だけは15冊まで借りられるんですな。といっても、結局そんだけを読みきれるわけはないんだけど(^◎^;)

その近所の図書館で借りた本。発表当初はものすごい話題になって、ベストセラーになって、テレビドラマにもなったなあ。
著者のあとがきに、1992年発表と書いてある。もう12年も前になるのか。そのころ、カードローン、自己破産というのが社会問題になっていたのだなあ。いや、今でも同じような借金地獄のような生活を強いられている人は多いのだろうけどね。ローン社会は12年前よりもさらに入り組んだものとなって、もはやわたしら素人の手には何が何やらという感じもするなあ。というのは、自分がそういうローンとは無縁の生活を送っているからということもあるんだろうけれど。ローンを組んでいるみなさん、頑張ってください。

操作中の事故で休職中の刑事が、失踪した甥の婚約者を探すことになる。だが調べていくうちに、その婚約者はまったくの別人、つまり「他人に入れ替わっていた」らしいということが分かってくる。さらにその入れ替わった「彼女」の素性も明らかになっていく。

謎解きの面白さももちろんあるんだけれど、何より人物の描写、それぞれの個性の描き方が本当にうまい。だから一人ひとりが生きて話して考えているように思えるんですね。宮部みゆきのすごいところやなあ。
もうひとつ、この作家で好きなところは、決して誰も攻めたてたりしていないところかなあ。殺人を犯した犯罪者に対しても、温かい視線を注いでいるんですね。この「火車」でも同様で、殺人を「犯したかもしれない」女性を突き止める、つかまえるところまでいくんだけれど、主人公の本間刑事が、その犯人の女性に対して抱く感情が、読んでいくうちにこちらの中にも深く沈んでいくような気がするんですね。
だから最後の、犯人を追い詰めたときの本間刑事の心情が、そんなに説明くさくなく、よくわかる。このエンディングはほんとに心に残るなあ。

普通の推理小説なら、犯人らしき人物が複数表れて、しかしそれぞれにアリバイがあったり、あるいはトリックを弄していたりして、それを主人公である探偵か刑事かが解いていく、という流れなんだけれど、この小説は最後の最後まで犯人はその名前でしか分からない。ちょっとネタバレになるけれど、最後まで本人と本間刑事は顔を合わせないし声も交わさない。
実際はどんな顔をしているのか、どんな声をしているのか。読者としても興味をそそられたまま、この話は終わるのですな。ううむ。うまい!
やっぱり宮部みゆきにハズレはない。

by tacobu | 2007-12-27 23:08 |


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