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たこぶ・ろぐ-日本一お気楽な48歳-

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2008年 01月 24日

【チグリスとユーフラテス】新井素子(集英社)

1999年刊の新井素子の大長編。ハードカバーで2段組みで本文490ページの大作です。読むのに苦労しました(^◎^;)。あとがきにも書いてますが、書いているうちに長くなってしまうのは、この作者の特性であるようです。

移民惑星「ナイン」で、治療のため(何の治療かが問題なのだが)コールドスリープ(冷凍睡眠)にはいっていたマリアは、ある日覚醒する。目の前にいたのは、幼女の扮装をした老女ルナだった。ルナは自らを「惑星ナインの最後の子ども」だと言う。

人類が死に絶えていく惑星の話。最初は、そういう「終末物語」なのかと思って読み始めると、いろんな展開が広がっていく、そこのところがもうとても面白いのです。そして、新井素子口調というか、知ってる人しか分からんやろうけど、どこかコシの砕けるような文体が、読んでいて「にょほほほ」となってしまい・・・・おっと、うつってきた(^◎^;)

最初に紹介したあらすじは、この長大な物語の第1章。マリアの話。このあと、ルナはコールドスリープしている人たちを次々に起こしていくのですね。そこにどんな理由があるのか。話が進むにつれて、惑星ナインの歴史が掘り起こされていく、その過程が素晴らしいです。もちろん、歴史の書き方はあくまでも新井素子口調なのですけれど。

新井素子はわたくしと同年代(1960年生まれ)で、高校時代から作家活動を始めていて(ほぼSF)、才能溢れる人だと思うのですが、ばりばり新作を発表する、という人ではないのですね。出始めのころは(ちやほやされて、ということもあったでしょうが)いろんな雑誌でその名前も見たのですが、最近はときどき名前が出て「あっ、まだ書いてたんや」と思う(失礼な)ことがしばしばでした。
しかし、こういう作品がまだまだ書けるんですね。なんか口調が(しつこいようやけど)「ほにょにょにょ」というところがあるので、内容もそれに比例して、と思われるようやけど、どうしてどうして、なかなか歯ごたえのある深みのある物語になっています。

「それでも人生は生きるに値する」

どこか醒めた目を持ちながらも、何かを信じている。全部を読み終わると、ちょっとだけ勇気がわいてくるような。それって持ち上げすぎかしらん。

この本は図書館ではなく、ブック・オフの100円コーナーにあったのを買いました。こんなごっつい本が100えんなんて(文庫では上下に分かれています)。

ついでに。あとがきがとても面白いです。この話のなりたちを書いてあるんだけれど、これが新井素子ワールド満開のエッセイになっていて、笑ってしまいました。

by tacobu | 2008-01-24 00:36 |


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