2008年 02月 19日
恩田陸のデビュー作「六番目の小夜子」を読みました(新潮文庫)。 東京のとある公立高校に伝わる「サヨコ伝説」。3年に一度、「サヨコ」の芝居を学園祭で演じなければならない。しかも、だれかが「サヨコ」となって、いろんな準備をしなければいけないのだが、それはほかの誰にも知られてはいけない。そのほか、いろんなウワサや伝説がサヨコにはつきまとう。 今年がその3年目にあたるというとき、転校生の美少女が現れる。 学校の怪談、というだけで怖いのに、そこに誰かが絡んでいて。しかもハッキリと幽霊が出てくるとか霊が出てくるとか怖い場面があるとかじゃないのに、何故か怖いんですよ、恩田さんのお話は。 いろんな事が起こるんだけど、それはひょっとしたら偶然起こったこと、たまたま起こったことなのかもしれない。だから、「伝説」はひょっとしたらただの迷信なのかもしれない。でもひょっとしたら・・・・ その「ひょっとしたら」の積み重ねが恐ろしいですね。 そして(ちょっとだけネタバレになるけれど)、最後は「???」で終わってしまうんですね。ああああ、なんじゃこりゃああああ! ついつい何度もラストを読み返してしまったよ。 あとがきで本人も書いているとおり、ここには恩田陸のエッセンスが、恩田陸らしさが十分に詰まっていますね。この路線をずっと続けている。とても怖い。とても面白い。やめられない。ううむ。
by tacobu
| 2008-02-19 00:27
| 本
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