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たこぶ・ろぐ-日本一お気楽な48歳-

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2007年 01月 29日 ( 1 )


2007年 01月 29日

新書三題

評論家の宮崎哲哉氏は1日に3~4冊の新書を読むそうだ(半分は仕事なんだろうけれど)が、最近の新書は「入門書の手引きのいりぐち」ぐらいになってしまっているそうだ。
つまり、それを読んだだけでは浅薄な知識しか得られない、それ以上に「手軽で分かりやすい」ものでないと売れないのだろう。
現代人は忙しい。忙しいから手っ取り早く役に立つ情報を仕入れたい。しかし時間はかけたくない。ということで新書。これだと「素人にも」分かりやすく書いてあるに違いない。
実際読んでみると、すらすらと軽く読める。内容も簡単だ。
しかしそこが落とし穴なんだなあ。すらすらと読めるということはそれだけその内容が頭に入りやすい、というよりも「知らないうちに納得させられる」ということだってあるのだな。
まあそう堅いことは言わずに読むのもいいのだろうけれどね。

とかなんとか言いながら、「スケッチは3分」を読んだら、なんだかすぐにでも簡単なスケッチが出来そうな気がしている僕は、そういう「与(くみ)しやすい読者」なんだろうなあ。
題名どおり、3分間でできるスケッチの方法を、なんとなくではなくきっちりとした論拠をもって、しかも実践的に書いてくれているので、このとおりに練習すればスケッチがうまくなるのかもなあ、と思った。そう思ってちょっと描いてみたりして。で、意外に出来がいいのに自分で感心したりしてる。ほんま乗りやすい性格やなあと自分でも思う。

しかし、こういう入門書は好きやなあ。よくある「思ったとおりに描く」とかじゃなくて、実際的なテクニックを教えてくれるもの。感覚じゃなくてね。
この本の目的とするテクニックは、芸術的にどうこうじゃなくて、たとえば仕事上のプレゼンで生かせたり、旅行のスケッチをしたりとか、そういうことに特化しているようだ。それだけでも生かせたら、いいなあと思ったな。



香山リカっていうのは、どういう人か実はよく分かっていないのだ。精神科医で大学の先生。そしてコメンテーター。それくらいかなあ。
「いまどきの「常識」」は、日頃「常識」と言われている事柄に対して、違った見方をしたらおかしいこともあるよ、と教えてくれていて。
僕のように、最近世間の常識からハズレているのかなあと思い出している人間にとってはとても慰めになる本だった。

本当にどうも最近、自分は社会の中でマイノリティになっていってるんじゃないか(それもどんどんマイノリティの道を進んでいるんじゃないか)と思っていたので、そうじゃないと分かっただけでもホッとした。
でも、よく考えてみたら、社会の中でマイノリティでもべつにかめへんやんとも思うのだな。よのなか、多数派だけでは生きていけないのであるよ。これからは堂々とマイノリティとして生きていこう。



全然意識していなかったけど、加賀乙彦も精神科医だったのだな。僕は作家としてしか知らなかった(といって作品を読んだこともないのだが)。
「悪魔のささやき」とは、ちょっと物騒な題名だけれど、人間誰しも「悪魔のささやき」を聞くことがある。それはどんな場面か、ということを、思いつくままに書いているみたいだ。紙に書かれたものではなく、しゃべった内容をまとめたものらしい。

しゃべったことをまとめたからか、話が一貫しているようでそうでなかったりするのだな。突然、オウム真理教の麻原章晃の話になったりね。
でも基本的には、誰しも悪魔のささやきを聞くときがあるということで、それに対していかに気構えを持っているべきか、ということの大切さがかたられているのだな。
まあ言うは易く行うは難し、なんだけど。



何冊か新書を読んで思うことは、これはどこかNHK教育テレビの1時間番組を見ているような気分になるということやね。専門家がそれぞれの主張を述べ、研究成果などを話してくれる。
それをいかに自分の知識として蓄えるか。蓄えなくても、どういう刺激を受けるかってことやね。
そうそう、あまり身構えずに「刺激を受ける」程度でもいいのかも。そう思って読むと、それぞれの新書はとても楽しい。

by tacobu | 2007-01-29 23:52 |